残される者、遺された者が すべきこと

身近な存在を、失うかもしれないとき。失ってしまったとき。悲しみだけでは済まされない、いろいろな現実をお伝えできたらと思います。

実際に相続放棄を決めたなら

実際に相続放棄をしようと
決めた場合、その手続きを行うのは
家庭裁判所です。

家庭裁判所は全国にたくさんあり
問い合わせ等には、どこの裁判所でも
応じてもらえますが
実際に申立をするのは
亡くなった人が、最後に住民票を
置いていた場所を
管轄する家庭裁判所となります。

市町村合併などにより
同じ市内でも管轄の支部が
異なる場合があるので
注意が必要です。
(例えば、静岡県御前崎市の場合
ほとんどは島田出張所の管轄ですが
旧浜岡地域は掛川支部、というように)

居所と住民票の住所が違うことも
あるので、亡くなった人の
正確な住所を知るために
「最後の住民票または戸籍の附票」
を取得します。
この書類、家庭裁判所から
提出を求められるものなので
早かれ遅かれ、必ず
とることになります。

相続を放棄するという選択

相続をする場合、
資産をいただくのと同時に、
借入などの負債がある場合には
それもあわせて
引き継がなくては
ならないのです。

亡くなった人が
たくさん借金を抱えているなど
明らかに資産よりも
負債が大きいと
わかっている場合、
相続を放棄するという選択肢も
視野に入れていくことに
なると思います。

アタシ継がないよ~、と
言うのは簡単ですが、
それだけでは効力がありません。
法的に認めてもらうためには
家庭裁判所への申し立てを
行う必要があります。

相続に関する3種類のこと

自分が、
相続をしなければならない
局面に立ったとき、
3つの選択をすることができます。


(以下、裁判所サイトより引用)
ーーーーー
相続が開始した場合,相続人は次の三つのうちのいずれかを選択できます。

1 相続人が被相続人(亡くなった方)の土地の所有権等の権利や借金等の義務をすべて受け継ぐ単純承認

2 相続人が被相続人の権利や義務を一切受け継がない相続放棄

3 被相続人の債務がどの程度あるか不明であり,財産が残る可能性もある場合等に,相続人が相続によって得た財産の限度で被相続人の債務の負担を受け継ぐ限定承認
 
相続人が,2の相続放棄又は3の限定承認をするには,家庭裁判所にその旨の申述をしなければなりません。
ーーーーー
(引用ここまで)



簡単に言ってしまうと、

1 お金も土地も借金も、
いっさいがっさい
ぜーんぶ継ぎますよ。

2 お金も土地も借金も、
ぜーんぶいりませんよ。
わたしには相続の権利が
なかったことにしてくださいな。

3 資産と借金の額をはっきりさせて、
その資産で借金を支払います。
プラスになったら残金を継ぎますが、
マイナスになったら、
資産から払いきれなかった部分の
あふれたマイナスは、引き継ぎませんよ。

こんな感じです。


こちらから
何もアクションを起こさないと、
一定期間経過後に
自動的に1を選択したことになります。

銀行の諸手続き(その2)【必要となる書類など】

相続手続きの際に

銀行から求められる書類は、

自分がおかれている

相続の順位や、

家族構成などによって

変わってきます。


ほとんどの場合に

必要となるものは、


・【自分の身分を証明するもの】

(運転免許証など)


・【亡くなった人の

除籍謄本(全部事項証明)


・【相続をする人(あなた)の

戸籍謄本(全部事項証明)】


・【印鑑】

※必要なのが実印なのか、銀行印なのか、

はたまた認印で良いのか、

あらかじめ聞いておきましょう。

同行に自分の口座がある場合、

その口座を開設したときの通帳印が

必要になるときもあります。

特に、転居や結婚などで

通帳と現住所が違う場合など要注意!


・【相続手続き完了時に

振込を希望する口座】

※同じ銀行に自分も口座を持っていれば

そこに振り込まれます。

その場合は手数料無料のことが

ほとんどですが、

他行の口座に入金を希望する場合は

振込手数料を引かれた額が

振り込まれます。




口座凍結前に預金は下ろしていいのか

いよいよお別れのときが
近づいてきてしまったとき、
現実的な問題として
まとまった資金が必要になります。

そこで、
「死亡日直前」、あるいは
「死亡日直後」に
故人の預金を引き出して良いのか?
という疑問が発生します。

実状として、
金融機関が口座を凍結するまでは
預金の出し入れは可能です。

ただし、
死亡の直前に払い戻した額は
相続税の対象となります。
慌てて自分の口座に
全額を移したとしても、
そのお金は課税対象なのです。


例外として、
葬儀にかかる費用として
通帳から下ろした金額については
非課税です。


税の問題もありますが、
それよりも身近な問題として
周囲に相談なく勝手に
預貯金を動かしてしまった場合、
他の親族からの反感を
買ってしまう可能性があります。

親族に相談する猶予がなく
お金をおろすような場合は
後々争いの火種を作らぬよう、
いくら引き出したか
何にいくら使ったかなどを
明確にしておき、
領収書や明細の保管を徹底すると
いいと思います。

銀行の諸手続き(その1)【まずは連絡を】

相続の中でも代表的な手続きである
銀行などの、預金口座の相続。

口座名義人の死亡が判明すると、
その口座は凍結されます。
いわゆる、
「止められて、
下ろせなくなってしまった」
という状態です。


この状態を解除するために、
銀行や信用金庫などの金融機関に
「自分にとっての○○が亡くなったので
相続の手続きをしたい」という旨を
連絡する必要があります。

※(実際には、亡くなってから
それほど日を開けてしまわずに
手続きをしている場合、
金融機関はこちらからの連絡によって
名義人の死亡を確認し、
そこで口座が凍結されることが多いです)

ファーストアクションは、
電話でも店舗来訪でも、
どちらでも構いません。
口座をもっていた支店に直接、で
大丈夫です。

電話の場合は、
店舗から折り返しで電話が来ることも
ありますし、
相続手続き専用のフリーダイヤルを
案内される場合もあります。

そこで、相続の手続きを
進めるのにあたり必要な、
集めなければならない書類などを
教えてもらうことになります。